ソフトバンク、初の公募優先出資証券

ソフトバンクは29日、「優先出資証券」を国内公募によって発行し2000億円を調達すると発表した。銀行などを対象にする第三者割当方式で優先出資証券を発行した企業例はあるが、公募は国内初という。
(日本経済新聞2011年8月30日15面)

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「優先出資証券は負債と資本の中間的な性質を持つのが特徴。英領ケイマン諸島に設立した100%出資のSPCが発行する。将来の配当負担を抑えるため負債と同様に投資家への償還を計画。期限は定めないが2015年5月の償還を予定する。貸借対照表では「少数株主持分」として計上され、「純資産の部」を押し上げる要因に働く」
(前掲紙)

以下プレスリリースから本件スキームの概要を抜粋します。

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(本優先出資証券発行時)
1. SFJは、投資家向けに本優先出資証券(1)を国内公募の方法により発行し、その発行金額をもって、ガリレイ・ジャパンがSFJに対して発行するユーロ円建永久劣後社債(「本社債」)(2)を取得します。
2. ガリレイ・ジャパンは、本社債の発行金額をもって、当社に対し永久劣後ローン(「本永久劣後ローン」)(3)を実行します。 3. 当社は、SFJとの間で締結する劣後保証契約(「本劣後保証契約」)に基づき、SFJが本優先出資証券の投資家に対して行う配当金および償還金等の支払いを保証します(4)。

(本優先出資証券発行後)
1. SFJが本優先出資証券に係る配当(または償還)を行う場合、当社からガリレイ・ジャパンに対して本永久劣後ローンに係る利息を支払い(または元本を返済し)、当該受領利息(ま たは当該受領元本)を原資として、ガリレイ・ジャパンがSFJに対して本社債に係る利息を 支払います(または償還を行います)。SFJは、当該受領利息(または当該受領償還額)を 原資として本優先出資証券の投資家に対する配当(または償還)を支払います。
2. SFJから投資家に対して支払われるべき本優先出資証券に係る配当金または償還金が支払われなかった場合、当社は、本劣後保証契約に基づき、投資家に対して、当該配当金または償 還金に相当する金額を支払います。
プレスリリース 別紙 [PDF]

【リンク】

2011年8月29日「当社子会社優先出資証券の発行による資金調達について」ソフトバンク株式会社

同上 プレスリリース 別紙 [PDF]