サラリーマン川柳入選100句

第一生命保険は16日、「第25回サラリーマン川柳コンクール」の入選作100句を発表した。
(日本経済新聞2012年2月17日38面)

【CFOならこう読む】

今日は、オリンパス事件を取り上げようと思ったのですが、色々考えているとどんどん気分が重くなってくるので、思い切り趣向を変えてサラリーマン川柳をとりあげます。

入選作100句を見ると、圧倒的に面白いのは妻ネタです。

日よう日 妻は女子会 おれじゃまかい
リビングは 妻がセンター 総占拠
妻がした 計画停電 オレの部屋
嫁の趣味 昼間は寝入る 夜ネイル
他にもいろいろあります。

その他に目立つのは、ハイテクについて行けないオレ的なネタです。

スマートフォン 妻と同じで 操れず
携帯に やっと慣れたら 皆スマホ
図書館で FaceBookを さがす父
オレの指 スマホも部下も 動かせず
EXCELを エグザイルと 読む部長

そう言えば、先日見たデヴィッド・フィンチャー監督の「ドラゴン・タトゥーの女」で、主人公の中年男性のPC操作をドラゴン・タトゥーの女がいらつきながら見ているというシーンがありました。

二人ともそれぞれのやり方で、最後には同じ犯人に辿りつくのですが、中年男性には中年男性のやり方があって、そこがなかなか面白かった。それでも中年男性もMacBooKを十分に使いこなしており、それができなければいつもでたっても犯人には辿りつけなかったでしょう。

とここまで書いてオリンパス事件に戻ります。昨日の夕刊にこんなことが書かれていました。

「粉飾決算の解明には、隠蔽した実際の損益を把握することが不可欠とされるが、社外に移し替えた損失額を克明に記載した事実上の”裏帳簿”である報告書を社員の自宅パソコンから発掘」(日本経済新聞夕刊2012年2月16日14面)

オリンパス事件をきっかけに会計監査人の責任や意義について、またぞろ様々に取りざたされています。しかし、監査人には社員の自宅パソコンを調査する権限は与えられておらず、また、個人のメールを見ることもできないことを前提に議論すべきです。

「さらに、監査改革だ。あずさと新日本の両監査法人は結果としてオリンパスの不正を見抜けなかった。損失隠しを早期に発見できる監査方法はないものか。何とか知恵を絞ってほしい」
(日本経済新聞2012年2月17日2面)

本気でそうしたいなら、監査人に捜査権限を与え「ドラゴン・タトゥーの女」を雇えるようにしたら良いでしょう。そうして監査法人は、ウェブサイトで、「当法人は類い稀な能力を持つハッカー集団であり、どんな不正・粉飾も見逃しません」と自法人の強みを訴えるのです。

それで、・・・いったい企業はそういう監査法人と契約するのでしょうか?

ああ今日はサラリーマン川柳で終わりにするつもりだったのにあらぬ方向に話が行ってしまいました。

サラリーマン川柳の投票は、3月15日まで受け付けているようです。

 

「私が選ぶサラ川 ベスト10」第一生命

【リンク】

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