手元資金は過去最高水準

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは今月、世界の投資家に「企業に現金を何に使ってほしいか」と聞いている。「設備投資」との回答は全体の33%と、50%近くだった昨年初めから大きく減った。一方「株主への配分」は43%と、昨年初めの30%強から増加し、設備投資を上回った。景気の低迷で、企業はどこに投資しても成長は見込めまい。だったら、配当や自社株買いで返してほしい。
(日本経済新聞2012年8月21日13面)

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「日本企業も同じ圧力を市場から受けている。欧米企業と同様、手元資金は過去最高の水準にある。だからこそ、経営者に尋ねてみたい。「成長は本当に後回しでいいのか」と。世界の企業が投資家の弱気に促されて成長策に二の足を踏みつつあるからこそ、攻めの経営がうまくいけば競争で優位に立てる」(前掲紙)

企業が手元資金を積みましているのは、サブプライム時に流動性が枯渇した記憶が消えないからでしょう。こういう時代にはリスクテイクを後押しするサポーターが必要です。
金融機関、政府、投資家、国民、みんなのアントレプレナーシップを称賛する声が、企業や企業家を動かすのです。

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