ベンチャー企業の株式報酬

日本人科学者のノーベル賞受賞が続き、日本の実力を世界に示す一方、電機・IT業界では米アップルや韓国サムスン電子が市場を席巻し、日本の影はすっかり薄くなった。有力な新興企業が次々と生まれる米国で大学の果たす役割とは何か。高輝度な青色発光ダイオード(LED)の量産に世界で初めて成功した米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授に話を聞いた。
(日本経済新聞2012年10月25日27面)

【CFOならこう読む】

中村「大学であろうと企業の研究所であろうと、研究成果である知識やノウハウ、つまり頭脳の価値は正当に評価されるべきだ。米国では研究者が起業する場合、出資しなくても、株式が付与される。『頭脳』に対して株式が与えられるのだが、日本では研究者が資金を出さない限り、株式を受け取ることはない。頭脳に価値を認めていないからだ」(前掲紙)

頭脳に価値を認めていないから、ということよりも、「『頭脳』に対して株式を付与すること」について、会社法上(及び会計上、税務上)困難な点、又は取扱いに明確ではない点が少なからずあるからではないでしょうか?

中村「しかも日本のベンチャー投資は起業家に保証を求めることが多く、実質的には担保を取った融資だ。一方、米国のベンチャーキャピタルは投資リスクを取って出資する。企業に失敗した場合に起業家が自宅を失って再起不能になるようなことはほとんどないので失敗しても再挑戦しようとする。日米の仕組みや風土の違いは大きい」(前掲紙)

この点も日本でなかなか起業が増えない大きな要因となっています。

問題の所在は、価値の源泉がカネからヒト(頭脳)にシフトしているにも関わらず、日本のインフラは旧態依然のままだという点にあります。

日本初の知財を育て雇用に繋げて行くためには、大急ぎで改善・整備する必要があります。

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