ソニーCB1500億円ー続き

東京株式市場で15日、ソニーの株価が一時、前日比11%安の772円まで下げた。前日に1500億円の新株予約権付社債を発行することを発表。株式への転換で一株価値が希薄化することが嫌気された。調達資金は画像センサーの増産やオリンパスへの出資に充てるが、市場は投資による企業価値の上昇に懐疑的な見方を示している。
(日本経済新聞2012年11月16日19面)

【CFOならこう読む】

「終値は9%安の793円だった。転換社債がすべて株式に転換した場合は、発行済株式数が現状より15.6%増える。転換価格が直前の株価の10%高と転換が進みやすい設計で希薄化への懸念が市場では高まった。」(前掲紙)

ソニーのCBの発行は9年ぶり。9年前のCBの転換価格は直近株価の47.5%高であったのと比べると希薄化への配慮が足りなかったことは間違いありません。単に希薄化への配慮というだけでなく、ソニーの将来への自信のなさが、このCBの発行条件から透けて見えて、市場がそれに嫌気したという面もあるように思います。

エクイティ・ファイナンスを行う場合には、調達した資金が価値創造のために使われるということを明快に市場に伝える必要がありますが、今回のソニーのCB発行には、この部分でも不足している部分があったように思います。

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