低価格市場から逃げるなー長内厚早稲田大学准教授

・中国や韓国との賃金格差を言い訳にするな
・韓国ブランドは新興国の低価格市場に浸透
・日本が主導権とり台湾や中国企業と協業を
(日本経済新聞2012年11月29日27面経済教室)

【CFOならこう読む】

今日の経済教室は面白かった。”海外主戦場から逃げるな”という日本の家電産業に向けたメッセージは、とても説得力があります。

「そもそも「日本だから安くつくれない」という考え方の根底には、「安いもの」は日本が取り組むべきビジネスではなく、東アジア諸地域の新興市場に任せればよいとの思い込みがあるのではないか。こうした思い込みこそが、日本企業を極端な製品差異化戦略というニッチ市場に誘っているようだ。世界の潮流から離れる「ガラパゴス化」は携帯電話だけの問題ではない。多くの家電メーカーは、厳しい競争が展開される海外市場に真剣に向き合ってこなかったといえる。」(前掲稿)

「日本だから安くつくれないという決めつけは、取り得る戦略の幅を狭めてしまうだけだ。韓国のサムスン電子やLG電子はインドやブラジルなどの新興市場向け低価格製品の開発に力を入れている。それらを「低価格」とみるのは先進国の発想であり、新興国市場では「ちょっと手を伸ばせば届く高級品」である。こうしたイメージを長年にわたって刷り込まれれば、顧客にとっての高級ブランドは、見たこともない日本メーカーではなくサムスンやLGとなり、経済発展に伴って日本は市場を失っていくであろう。」(前掲稿)

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