HOYA、移転価格税制に関し200億円申告漏れ

HOYAが海外子会社との取引を巡って東京国税局の税務調査を受け、移転価格税制に基づき5年間で約200億円の申告漏れを指摘されていたことが26日、分かった。税務上の赤字があり、地方税や過少申告加算税を含めた追徴税額は約33億円。
(日本経済新聞2013年6月27日43ページ )

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HOYAはIFRSを任意適用していますが、日本基準であれば、法人税等の更正、決定等による追徴税額は、過年度遡及修正の対象になる可能性があります。

「諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い」(監査・保証実務委員会実務指針第63号)では、次のように記述されています。

「法人税等の更正、決定等による追徴税額及び還付税額は、過年度遡及会計基準及び過年度遡及適用指針に基づき処理することになる(過年度遡及会計基準第55項参照)。なお、これらが過去の誤謬に起因するものでない場合には、損益計算書上、「法人税、住民税及び事業税」の次にその内容を示す名称を付した科目をもって記載する。ただし、これらの金額の重要性が乏しい場合には、「法人税、住民税及び事業税」に含めて表示することができる。」

更正処分が、過去の誤謬によるものであれば、過年度遡及修正の対象になります。
しかしHOYAは、プレスリリースで「今回、当社の主張と東京国税局の見解は、明らかに相違が あるため、速やかに、法令に則り、更正処分の取り消しを求めてまいります。」と宣言しており、見解の相違ということになれば、過去の誤謬ではないので、過年度遡及修正の適用はないものと思われます。

【リンク】

2013年6月26日「移転価格税制に基づく更正通知書の受領について」HOYA株式会社 [PDF]