法人減税に伴う繰延税金資産の取り崩し

法人課税の実効税率の引き下げが税制改正論議の焦点になっている。企業業績の底上げに向け、まずは2014年度に2%強下げる案が有力だ。税率を国際水準まで下げ、企業の競争力を増す改革に市場関係者の期待は大きい。ただし、13年度決算には減益要因になる側面も知っておきたい。
(日本経済新聞2013年11月4日3ページ)

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「14年度から税率が下がる分を13年度に繰り延べ税金資産から取り崩さねばならない。税引き前の利益から差し引くため、見かけ上の利益が減る要因になる。
 東証1部上場企業(金融、電力・ガスなど除く)全体でみると、今年度の予想純利益22兆円の1・2%に相当する2700億円の繰り延べ税金資産が取り崩しの対象になる見通しだ。」(前掲紙)

現在のところ、復興特別法人税が前倒し廃止され2014年度に税率が2%強下がる案が有力です。

具体的な会計上の取扱いは以下の通りです。

「◯税効果会計に係る会計基準
第二.二.繰延税金資産及び繰延税金負債等の計上方法
2.繰延税金資産又は繰延税金負債の金額は、回収又は支払いが行われると見込まれる期の税率に基づいて計算するものとする。

◯税効果会計に係る会計基準注解
注6 税率の変更があった場合の取扱いについて
法人税等について税率の変更があった場合には、過年度に計上された繰延税金資産及び繰延税金負債を新たな税率に基づき再計算するものとする。」

当期中に法人税率の変更があった場合、当期において繰延税金資産の取り崩しの処理が必要となります。

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