長期金利 2ヶ月半ぶり1.4%台

市場での長期国債の増発が2009年度に最大8兆円にのぼる見通しになった。税収の落ち込みが6兆円にのぼることに加え、個人向けの国債販売が予定を約2兆円も下回るためだ。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは27日、約2ヶ月半ぶりに1.4%台に上昇。歯止めのかからない財政拡大とそれに伴う国債発行の急増が、長期金利に上昇圧力をかけている。
(日本経済新聞2009年10月28日3面)

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この金利上昇は、鳩山政権の財政運営に対する不安感を映す”悪い金利上昇”なのか、それとも景気改善への期待感からくる”良い金利上昇”なのか、市場の見方は分かれているようです。

私はエコノミストではないので、はっきりしたことは言えませんが、”良い金利上昇”ではないように思います。日本の場合、経済回復や株価上昇の先行指標として長期金利が上昇するケースが多いのですが、右側サイドバーにあるマーケット情報のグラフをご覧になって頂ければわかるように、ここ最近日経平均と長期金利の間にはっきりとした相関が見られません。

「市場では、中期的な財政再建の目標がないことへの不安感もくすぶっている。民主党が年末に設定するとしていた政府債務残高のGDP比率など財政再建の中期目標の設定も先送りの公算が大きい。市場では「景気回復期待による『良い金利上昇』ではない」(国内証券)との見方が広がっており、長期金利の先高感が強まっている。」(前掲紙)

この見方が正しいように私には思えます。

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