長期金利上昇

長期金利が上昇を続けている。財務省が5日実施した新発10年物国債の入札は不調に終わり、10年債利回りは約3ヶ月ぶり高水準となる1.440%をつけた。背景のひとつは民主党新政権下での財政膨張への不安。予算編成の柱である新規国債発行について、政府内の方針がぐらついていることも金利上昇に拍車をかけている。
(日本経済新聞2009年11月6日3面)

【CFOならこう読む】

金利上昇リスクが高まってきました。
10月28日のエントリー(2009年10月28日「長期金利 2ヵ月半ぶり1.4%台」)で、良い金利上昇と悪い金利上昇の話をしましたが、今回の入札におけるテールの広がりは、

「最終的には肝心の歳出削減が暗礁に乗り上げ、国債発行にしわ寄せが来るのではないか」(前掲紙)

という市場の不安を裏づけています。

「テールは、入札参加者が希望する価格のばらつき具合を示し、入札の好不調の判断材料になる。今回のテールの拡大は、もっと安ければ(金利が高ければ買ってもいいと思う条件付きの投資家が多かったことを映す。」(前掲紙)

CFOとしては、長期金利上昇リスクを十分考慮したうえで、資金調達のタイミング及びヘッジ方針を決定することが肝要です。

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