低格付け社債、今年も発行低水準?

2010年中に償還期限を迎える日本企業のSB、CBは合計7兆円にのぼる見通しだ。2009年より約1兆円少ないが、なお高水準の償還が続く。特にトリプルB格以下の格付けの企業にSB償還資金の手当てについて聞いたところ、手元資金を充てたり銀行から借り入れるという回答が目立つ。社債投資家の慎重姿勢が続く中で、低格付け企業の起債が本格回復するには、もうしばらく時間がかかる可能性もある。
(日経ヴェリタス2010年1月31日13面)

【CFOならこう読む】

今日は備忘記録です。

「UBS証券の後藤文人クレジット調査部長は「社債の流通市場では0.50%~0.60%と比較的小さいスプレッドで取引されるトリプルB格の社債も出てきた」と話す。高格付け社債はスプレッド縮小で投資妙味が薄れているため、今後は投資家の目が低格付け債に向くことも考えられる。
ただ、2009年12月と1月28日に合計140億円を5年債で調達した平和不動産は上乗せ金利が1.7%と電力債の10倍超。低格付け債はまだ高い調達コストを求められるのが現実だ。また2009年の社債発行企業の格下げは226件と前年の約3倍。業績回復が格上げに反映されるには時間がかかる。厳しい資金調達環境がすぐに改善するわけではなさそうだ」(前掲紙)

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