住友信託と中央三井、統合比率1.49対1に

住友信託銀行と中央三井トラスト・ホールディングスは24日、2011年4月に予定する経営統合の最終契約を結んだと発表した。統合比率は住友信託1.49に対し、中央三井1とする。存続会社は中央三井で、持株会社「三井住友トラスト・ホールディングス」に衣替えする。
(日本経済新聞2010年8月25日4面)

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本経営統合の内容は以下の通りです。

本経営統合は持株会社方式によるものとし、既に持株会社体制となっている中央三井トラスト・ホールディングスが新しい信託銀行グループの持株会社として活用されます。

具体的には、住友信託銀行が中央三井トラスト・ホールディングスと株式交換を行うと共に、中央三井トラスト・ホールディングスは、三井住友トラスト・ホールディングス株式会社に商号変更します(第一ステップ)。 また、本株式交換後、三井住友トラスト・ホールディングスは、傘下の信託銀行を合併により統合する予定です(第二ステップ)。

従って中央三井トラスト・ホールディングスが住友信託銀行を100%子会社化することになりますが、会計上は住友信託銀行が
中央三井トラスト・ホールディングスを取得した形で処理されることになります(逆取得です)。
昨日の終値ベースで中央三井トラスト・ホールディングスのPBRは0.78倍なので、負ののれんが発生する可能性が高いと思われます。

統合持株会社の概要は次の通りです。

1.商号
三井住友トラスト・ホールディングス株式会社
(英文)Sumitomo Mitsui Trust Holdings, Inc.

2.本店所在地
東京都千代田区
(住友信託銀行が現在他社と共同で開発を進めている「丸の内1-4計画」ビルを本店の所在場所とする予定です。なお、それまでの間は、住友信託銀行の東京本部ビルとする予定です。)

3.代表取締役の役職・氏名
代表取締役会長には常陰 均(現住友信託取締役社長)、代表取締役社長には田辺 和夫(現中央三井取締役社長)が就任する予定です。

4.役員体制
取締役及び監査役の構成は別途協議し合意の上決定されますが、中央三井トラスト・ホールディングスと住友信託銀行がそれぞれ指名する取締役及び監査役は同数となる予定です。

要するに形式的にはあくまで両社対等な経営統合です。

両社のFAは中央三井側がJPモルガン証券と野村証券、住友信託側がUBS証券と大和証券キャピタル・マーケッツで、それぞれからフェアネス・オピニオンを取得しています。

【リンク】

2010年8月24日「中央三井トラスト・グループと住友信託銀行グループの経営統合に関する最終合意等について ~専門性と総合力を併せ持つ「The Trust Bank」の創設に向けて~」中央三井トラスト・ホールディングス株式会社 [PDF]