社債の実質期限前償還(実質的ディフィーザンス)-ソフトバンク

ソフトバンク、最大750億円損失の恐れ 債務担保証券投資で

ソフトバンクは29日、証券化商品の一種である債務担保証券(CDO)に投資していた750億円が全額損失となる可能性があることを明らかにした。現時点では損失となっていない。仮に全額が損失となれば、金融危機の影響で日本の事業会社が証券化商品に関連して被る損失として最大級となる。
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20081030AT1D290BH29102008.html

【CFOならこう読む】

社債の実質期限前償還(実質的ディフィーザンス)とは、企業が社債の元利金を信託銀行に払い込み、負債をオフバランス化することを言います。信託銀行は国債など安全資産でこの資金を運用し、社債投資家への元利金払いに充当する仕組みになっています。3月4日に私のブログで武富士のケースをとりあげました(https://cfonews.exblog.jp/7423814/)。

オフバランスの為の要件を日本の会計基準は次のように定めています。

金融商品会計に関する実務指針46項
「取消不能で、かつ社債の元利金の支払に充てることを目的とした他益信託等を設定し、当該元利金が保全される高い信用格付けの金融資産(例えば、償還日がおおむね同一の国債又は優良格付けの公社債)を拠出することである」

金融商品会計に関するQ&A
「わが国において、元利金が保全される高い信用格付けの金融資産とは、国債や政府機関債のほかに、例えば、拠出時に複数の格付け機関よりダブルA格相当以上を得ている社債が含まれると考えられます」

実際に大きな損失を被るリスクを会社が有しているにも関らず、オフバランスを認めている会計基準にも問題があると思います。

【リンク】

なし