社外役員の質高めよ – 砂川伸幸 神戸大学教授

・企業経営を規律づける様々な方策が不可欠
・組織ぐるみの不祥事は社内では抑制できず
・独立役員の導入では人数よりも構成が重要
(日本経済新聞2011年11月24日3面)

【CFOならこう読む】

「コーポレートガバナンスは、経営の暴走を止めることである。そのためには経営者にモノを言える人の存在が必要になる。
(中略)
内部にいなければ、外部に人を求めるしかない。ここに独立役員の意義がある」(前掲紙)

経営者が絶対的な権限を有する点に日本株式会社の特質のひとつになっており、時に株主構成を自己の都合で変えることもできるほどの権限を有している、という事実認識に基づき議論しないと、またもや実効性のない仕組みを形だけ採用するだけのことになってしまいます。

日本株式会社の成長なくして日本の再生はない、という共通理解のもと、会社は企業のモノでも従業員のモノでも株主のモノでもなく、企業は価値創造(国富創造)のためのdeviceであると定義し直すことが必要です。

そして、価値創造に失敗したらM&A等により経営権の交替があること、税制その他のインフラが経営を阻害しないこと、ヒト・モノ・カネといったリソースに自由にアクセスできること、リスクに立ち向かうことが称賛される社会であること、再就職が容易であること等の条件を整えることができれば、企業はほっておいても自らが価値創造のために最適と考える統治構造を採用するようになります。

そのためには政治のリーダーシップが絶対に必要です。

ビジョンを明確に示し国民から賛同を得た上で、規制を緩和し、必要な立法化を押し進めるという形でしか日本再生はないと私は思います。

【リンク】

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