長期金利、日米欧で上昇

日米欧で長期金利が上昇している。3月以降、世界経済の底入れ期待を背景に金利上昇が目立つようになり、最近は各国の財政赤字拡大や国債の格下げへの懸念が金利水準を一段と押し上げている。金融市場で長期金利が上がると預金金利の上昇などにつながる半面、銀行の企業向け貸出金利や住宅ローン金利の押し上げ要因になり、景気回復の足かせにもなりかねない。
(日本経済新聞2009年5月25日1面)

【CFOならこう読む】

「米国の長期金利の指標である10年物国債利回りは先週末、3.45%と約半年ぶりの高水準になった。昨年12月下旬には2%割れ寸前と歴史的な低水準に下がっていた。
ドイツ国債10年物利回りも3.46%と、昨年末に比べて0.5%強上昇した。日本の10年物国債利回りも1.43%と0.26%上がっている。英国でも長期金利は上昇基調にある。」
(前掲紙)

ブログ右側にあるサイドバーのマーケットデータのグラフを見ればわかるように、日本株、米国株、長期金利が同じような軌跡をたどって上昇しています。緊急避難的に国債に流入した資金の一部が株式市場等のリスク資産に戻りつつあるのでしょう。

「長期金利の上昇は企業や個人の借入金利の引き上げにつながる。『景気回復力が弱い段階で金利が上がる”悪い金利上昇”が生じていないか(日銀関係者)と金融当局も市場の動向を注意深く見守る構えだ』
(前掲紙)

いずれにしても無リスク金利の上昇は資本コストの上昇に直結します。

来年のいま頃、いまを振り返って、あのときが長期資金調達の絶好機であったということになる可能性が高いと私は思います。

【リンク】

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