経済産業省の企業統治向上案
経済産業省は26日、コーポレートガバナンス(企業統治)を向上させる制度案をまとめた。上場企業の経営監視体制を強化するため、社外取締役を置くか独自の対策をとるかを選ぶ制度を設ける方針を示した。政府内の調整を急ぎ、証券取引所の上場規則などに具体策を盛り込むよう求める。日本の株式市場の活性化に向けて、少数株主が安心して投資できる環境を整える。
(NIKKEI NET2009年5月27日)
【CFOならこう読む】
新聞記事によると、新制度案は次の通りです。
「社外取締役を置くか独自の対策をとるかを選ぶ制度を設ける方針を示した」とのことですが、会社法の改正は予定されていないとのこと。
それで本当に実効性があると思っているのでしょうか?
シャルレのケースを見てもわかる通り、社外取締役は会社法に従い訴えられることもあるのに対し、経営諮問委員会のような独自制度を採用した場合は、責任を問われない、というのでは衡平性を欠きます。
また社外役員の資格要件を厳格に定めることも見送られたことも不満です。今の日本のコーポレートガバナンスの最大の問題は、経営者の自己保身を防ぐ手立てがないところにあります。
経営者が自己の監視役を選択できるのでは何の意味もありません。
こんなものを作るために時間と労力をかける研究会とはいったい何物でしょう?
しかも議事要旨を見たくても、3月25日開催分すらいまだ開示されていません。
いいかげんにしろ、と私は言いたい。