東洋紡 ハイブリッド証券で220億円調達
東洋紡 220億円社債発行
東洋紡は16日、英領ケイマン諸島に設立した子会社に、第三者割当でユーロ円建て永久劣後社債220億円を発行すると発表した。この子会社がユーロ円建て永久優先出資証券を発行し、投資家から同額の資金を調達する。永久劣後社債と永久優先出資証券を組み合わせる資金調達は珍しい。同社は「普通株式への転換権がつかないため、1株当たりの利益が減少せず、既存株主の利益を損なわずにすむ」としている。
産経ニュース 2009年2月17日
【CFOならこう読む】
本件スキームは下図の通りです。
海外特別目的子会社TCPC 社(100%出資の特別目的子会社TC Preferred Capital Limited)に対して本社債220 億円を発行し、TCPC 社は国内の投資家に対して優先出資証券220 億円を発行します。また、当優先出資証券に係る配当、残余財産の分配等の支払いを保証する旨の契約(劣後保証契約)をTCPC 社と締結します。
TCPC 社が発行する優先出資証券は、東洋紡の連結貸借対照表上においては少数株主持分として計上されます。当優先出資証券は資本と負債の中間的な性質を持つハイブリッド証券であり、負債性調達手段の特性を有すると同時に、主要格付機関(株式会社格付投資情報センターおよび株式会社日本格付研究所)から70%以上の資本性が認められるとのことです。時価発行増資では、発行済み普通株式数の増加および一株当たり利益の減少等の普通株式の価値の希薄化を招きますが、本優先出資証券には当社普通株式への転換権が付されていないため、当社普通株式の希薄化は一切発生しません。
本ハイブリッドファイナンスに参画する投資家は以下のとおりです。
・ (株)みずほコーポレート銀行
・ 三菱UFJリース(株)
・ 三井住友フィナンシャルグループ
・ 住友信託銀行(株)
・ センチュリー・リーシング・システム(株)
・ 大同生命保険(株)
他2社
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