●【 M&A箴言集 】ルノー元会長シュバイツアー氏

国際再編の「成功例」とされる日産自動車と仏ルノーの資本提携が来春で15年を迎えるのを前に当時交渉に臨んだ日産元社長の塙義一氏とルノー元会長のルイ・シュバイツァー氏が提携の舞台裏を語った。
(日本経済新聞2013年10月4日13ページ)

【CFOならこう読む】

――交渉にあたっての最大の障壁は何だったのでしょう。
 「ルノー側で障壁は特になかった。実は私は、(提携が実現する半年前の)98年秋に塙氏に3枚つづりのプレスリリースを手渡している。塙氏には『提携が実現すれば、このプレスリリースを発表できる』と説明した。実際の提携内容は非常に複雑だったが、プレスリリースでは重要なことを明確に説明していた」
 「ルノー・日産がどのようなパートナーシップを構築すべきかを考えながら、私が1人で書き上げた。塙氏は、(プレスリリースを手渡されたことに)少し驚いていたようだ」(日経産業新聞2013年10月4日11ページ)

資本提携を提案する段階で、ルノーが具体的な提携内容を記載したプレスリリースを用意し、塙氏に手渡していたということです。日本企業が提案する場合、詳細は今後つめていきましょう、となるところですが、トップが完全にコミットする形で提案内容をプレスリリースにできるレベルまで詰め切っていたことが、提携が成功した一つの重要な要因であったのだと思います。

日経産業新聞にインタビュー全文が掲載されています。なかなか読み応えのある内容になっています。

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