パイオニア公募増資のニュースで株価急落

パイオニアは21日、200億円規模の公募増資を2010年3月期中に実施する方針を固めた。これまで民間ファンドから出資を集める方針だったが、業績が最悪期を脱したことを背景に、公募増資による資金調達に転換する。調達資金は新興国でのカーナビゲーションなど車載機器事業の強化に充当する方針だ。ホンダへの第三者割当増資も従来計画通り実施する方向で調整してる。
NIKKEI NET2010年1月22日

【CFOならこう読む】

ホンダやファンドに対する第三者割当増資を検討していましたが、公募増資に方向転換するということです。

パイオニア:増資延期 ファンドなどとの出資交渉難航
経営再建中のパイオニアは28日、ホンダを引受先とする25億円の第三者割当増資を延期すると発表した。同時に進めているホンダ以外のファンドなどとの出資交渉が難航しているため。ホンダからの増資支援の延期は6月と9月に次ぎ3度目。パイオニアは「時期は確定していないが、ホンダは新株引き受けの意向を変えていない」と説明。年明け以降もファンドなどとの協議を行い、10年3月末までにホンダ分も合わせた増資完了を目指す方針だ。パイオニアは当初、事業構造改革や社債償還に充てるため、400億円規模の資金が必要としていたが、構造改革の進展などで「必要資金が半減した」と説明。旧本社売却などで必要額をさらに圧縮する方針も示しており、今回の増資延期による資金繰りへの影響は特段ないとしている。
毎日.jp2010年1月22日)。

「経営の自主性を確保しつつ、会社を成長軌道に乗せたい考えだ」(前掲紙)

要するに他社の傘下に入るつもりはない、ということです。

「パイオニアは午後に入って200億円規模の公募増資をする方針が伝わり、一時14.6%安の263円と急落した」(日本経済新聞2010年1月22日16面)

希薄化懸念というより、このような会社の姿勢に対する失望売りと見るべきでしょう。

【リンク】

2009年12月28日「第三者割当による新株式発行の延期の状況に関するお知らせ」パイオニア株式会社「PDF」
2010年1月22日「当社の資金調達等に関する本日の一部報道について」パイオニア株式会社[PDF]