株式取得による企業結合の届け出制度の改正

2009年6月に改正された独占禁止法が今年から施行され、企業買収の手続きが変わる。買収しようとする相手方の株式を20%超取得する場合などに、企業は公正取引委員会にあらかじめ届け出が必要な案件の基準が見直された。買収の段取りや戦略に影響しそうだ。
(日本経済新聞2010年1月8日14面)

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改正の概要は以下の通りです。

① 株式取得の事前届出制の導入等
・会社の株式取得について,合併等の他の企業結合と同様に事前届出制を導入
・届出閾値を現行の3段階(単体ベースで10%超,25%超及び50%超)から2段階
(企業グループベースで20%超及び50%超)に簡素化

② 届出基準の見直し等
・株式取得等の届出基準を以下の表のように見直し株式取得等の届出基準を,以下の表のように見直し

・外国会社についても国内会社と同様の届出基準を適用
・ いわゆる叔父甥会社間の合併等同一企業グループ内の企業再編について,届出を免除
・株式取得の事前届出制の導入に伴う共同株式移転に係る届出規定の整備等○ 株式取得の事前届出制の導入に伴う共同株式移転に係る届出規定の整備等

「公取委は企業から慈善届け出の書類を受け取ってから120日、または必要な追加書類がそろってから90日のどちらか遅い日まで手続きを延ばせる。一方、金融商品取引法ではTOBに使える期間は最長で60日。
審査が長引くか問題を指摘されれば、時間切れになる懸念がある。独禁法と金商法の両方をにらんだ日程管理が必要だ」(前掲紙)

この他実務に与える影響としては、届出閾値が10%から20%に引き上げられた点が大きいと思います。

【リンク】

「3.企 業 結 合 規 制 の 見 直 し」公正取引委員会[PDF]