企業の負債、低金利で長期化進む

上場企業が長期金利の低下をいかし有利子負債の長期化を急いでいる。返済までの期限が1年超の長期負債は6月末で、有利子負債全体の7割を占め1990年代以降の最高水準になった。
月内にも新日本製鉄やKDDIが期間10年の社債を発行する見通しだ。一方で企業は有利子負債の総額を削減しており、景気の先行き不透明感を増すなか、借金をより少なく、より長期化する守り重視の財務が鮮明だ。

(日本経済新聞2010年8月23日1面)

【CFOならこう読む】

「新発10年物国債利回りが7年ぶりに1%を割り込んだ8月には、九州電力が7年ぶりとなる20年債などで計400億円を調達した。さらに月内にも新日鉄が10年債で100億円を調達し、KDDIも10年債を発行する見通しだ」(前掲紙)

また20日にオリックスが7年債100億円と9年債100億円の募集を開始しました。格付けはシングルA(株式会社日本格付研究所、株式会社格付投資情報センター)利率は7年債が1.69%、9年債が2.20%です。

現在の社債の起債環境は良好なようです。

「足元では金利低下を受けて、地域金融機関などが少しでも高い利回りを求め、年限の長いものや格付けが低く信用リスクの高い分、スプレッドの大きい銘柄を物色する傾向が強まっている。
市場からは「今の環境であれば低格付けのどんな企業でも問題なく社債を発行できる」との声が上がる」(日経ヴェリタス2010年8月22日24面)

【リンク】

2010年8月20日「オリックス株式会社第 138 回無担保社債(社債間限定同順位特約付)及び第 139 回無担保社債(社債間限定同順位特約付)の発行について」オリックス株式会社 [PDF]