三菱商事、25年ぶりドル建て債

三菱商事は、25年ぶりにドル建て社債5億ドル(約420億円)を海外市場で発行する。長期金利の低下で国内の起債環境が良好なのにもかかわらず、あえてコストが高くつくドル債発行に踏み切った背景には、国内市場での資金調達におぼろげながら限界が見え始めたことが大きい(日本経済新聞2010年9月11日13面)

【CFOならこう読む】

三菱商事の米ドル建無担保普通社債の概要は以下の通りです。

1.発行総額 5億米ドル
2.期 間 5年
3.発行条件 年率2.75%
4.払込期日 2010年9月16日
5.募集形態 ロンドン証券取引所に上場し、アジア・欧州など海外市場における機関投資家を対象とした募集

国内で調達すればもっと良い条件でいけるだろうにと思うところですが、今日の記事は何故海外市場で発行するかについて次のように分析しています。

「今年3月期末の連結有利子負債は、約4兆2000億円と国内の事業会社では10本の指に入り、銀行借入れが中心となっている。ネットの負債・資本倍率は1倍程度と財務指標からは良好にみえても、実際の大きさは
目をひく。同社では地方銀行など借入先の分散も進めているが、貸し手側から見ればいくら有力企業でも1社集中のリスクを感じざるを得ない。三菱商事の幹部は「仮に国内調達でも6兆円程度までは増やせるが、その先は
分からない」と打ち明ける。有利子負債6兆円付近にある”ガラスの天井”がおぼろげながら見えてきたのだ。

【リンク】

2010年9月9日「米ドル建無担保普通社債の発行に係る件」三菱商事株式会社