新ジャスダック市場概要

大阪証券取引所傘下のジャスダックとヘラクレスが統合する。10日にシステムの最終テストを実施し、問題がなければ12日に新ジャスダック市場が発足する予定だ。上場企業が1000社を超えるアジア最大の新興市場の誕生は、投資家を呼び戻すことにつながるだろうか。
(日本経済新聞2010年10月9日13面)

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新ジャスダック市場の概要は以下の通りです。

(1) 形式基準
審査項目
スタンダード

純資産の額 2億円以上(直前期末)
利益の額 経常利益及び税引前利益が1億円以上(直前期)

ただし,上場日時価総額が50億円以上の場合は利益の額は問わない
グロース

純資産の額 正(直前期末)
利益の額

以下スタンダード、グロース共通

公開株式数 公募又は売出し株式数が上場株式数の10%または1,000売買単位のいずれか多い株式数以上
株主数 300人以上
浮動株時価総額 5億円以上(上場日)
財務諸表 虚偽記載を行っていないこと及び最近2期間「監査意見:適正」最近1期間「監査意見:無限定適正」

その他
・株式事務代行機関に株式事務の委託を行っていること
・単元株式数が,上場時に100株となる見込みのあること
・株式の譲渡につき制限を行っていないこと
・指定振替機関における取扱の対象であること
※浮動株の定義は,上場株式のうち,役員が所有する株式,自己株式,上場株式数の10%以上を所有する株主が所有する株式(信託銀行,証券金融会社,預託証券に係る預託機関等がその業務のために所有する株式であり,実質的に10%以上を所有するものではないと認められる株式を除く。)及び役員以外の特別利害関係者の所有する株式(新規上場の場合に限る。)を除いた株式。

(2) 形式基準
スタンダード
a.企業の存続性
– 事業活動の存続に支障を来す状況にないこと
b.健全な企業統治及び有効な内部管理体制の確立
– 企業規模に応じた企業統治及び内部管理体制を確立していること

グロース
a.企業の成長可能性
– 成長可能性を有していること
b.成長の段階に応じた健全な企業統治及び有効な内部管理体制の確立
– 成長の段階に応じた企業統治及び内部管理体制を確立していること

以下スタンダード、グロース共通
c.企業行動の信頼性
– 上場後において市場を混乱させる企業行動を起こす見込みのないこと
d.企業内容等の開示の適正性
– 企業内容等の開示を適正に行うことができる状況にあること
e.その他公益又は投資者保護の観点から必要と認める事項

スタンダード951社、グロース54社での船出です。
こう見るとグロースが少なすぎますね。

【リンク】

2010年7月6日「新JASDAQ市場の概要」JASDAQ NEO