クリック証券が韓国上場中止

インターネット証券のクリック証券が韓国取引所(KRX)への上場計画を中止したことが分かった。
(日本経済新聞2010年10月20日4面)

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「6月に上場承認を得ていたが、「韓国市場で証券関連株が低迷を続けており、十分な資金調達ができない」と大株主が反対したという」(前掲紙)

これに先立ち、GMOインターネット株式会社は、9月29日の取締役会でクリック証券の株式取得と連結子会社化を決議したことをリリースしています。

株式取得の概要は以下の通りです。

■株式取得の相手先の概要
GMOインターネットの代表取締役熊谷正寿氏(熊谷正寿は、GMOインターネット株式46,786株(保有株式割合46.8%)を直接または間接に保有している)

■取得株式数、取得価額及び取得前後の保有株式の状況
取得する株数 5,610,000株
(保有株式割合36.9%)
取得価額 5,273,400,000円 1株あたりの取得価額 940円

■日 程
(1) 取締役会決議 平成22年9月29日
(2) 株式譲渡契約書締結 平成22年9月29日
(3) 株式取得期日 平成22年10月29日予定

クリック証券はもともと2005年10月にGMOインターネット証券として設立された会社ですが、GMOインターネットがローン・クレジット事業から完全撤退した際に生じた損失を補填し、財務基盤の強化を図る必要性から、熊谷正寿氏に売却されています。

その際の譲渡株式数は47,286株(持分95.9%)、譲渡価額は4,799,529千円でした。

今回の取得価格により計算されるクリック証券の時価総額は約143億円で、これは2010年3月の実績PER3.6倍の水準です。会社は、マネーパートナーズの実績PER7.1倍と比較しても取得価格はリーズナブルであると説明しています。

なお、会社は少数株主の保護に配慮するため、第三者委員会を設置し、本件取引に基づく株式取得の実行までに、取引等の目的、交渉過程の手続き、対価の公正性、当社の企業価値向上などの観点から、本件取引が当社の少数株主にとって不利益でないことに関する検討を行うことを依頼したとのことです。

【リンク】

2010年9月29日「クリック証券株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ『GMOインターネットグループの個人向けサービスの強化を目指します』」GMOインターネット株式会社 [PDF]
2007年8月13 日「GMO インターネット証券株式会社株式の譲渡に関するお知らせ」GMOインターネット株式会社 [PDF]
2010年9月29日「クリック証券子会社化について説明資料」[PDF]