2000年以降の日本のM&Aは成功している?

1980年代から90年代にかけて、日本勢が海外企業の買収で相次ぎ失敗したのは、国際的なM&A市場で日本が新参者だったからでしょう。
(日経ヴェリタス2011年12月12日57面 井上光太郎慶応大大学院准教授)

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「最近の海外買収は本業の強化を目的にした経済合理性のある案件が多く、成功と呼べるものも出てきました。

2000年から2007年に実施された日本のM&A案件について、発表前日、当日、翌日の株価騰落を調べたところ、買い手側の株価は市場平均より(対東証株価指数=TOPIXで見た累積超過収益率が1.17%のプラスになりました。買われた方の企業はプラス8.15%です。調査の対象時期は異なりますが、この値は3年間という長期で見てもプラスとなる傾向があります。M&A全体でとらえると、買い手、売り手双方の株主に良い結果をもたらしているというのが私の見解です」(前掲紙)

M&Aの実証分析を専門にしている井上准教授の調査結果だけに信用してよいのでしょう。

それにしても、やはりM&Aは買い手と売り手の株価パフォーマンスには大きな開きがあり、それは要するに買収価格が高過ぎるということを意味しています。

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