「地上で最も顧客中心の会社」ーアマゾン・ドット・コム

5年振りに来日した米アマゾン・ドット・コムCEO(最高経営責任者)のジェフ・ベゾス氏。インターネットの黎明期に事業を興し、今なお第一線で活躍している限られた経営者の1人だ。今回、ベゾス氏は日経ビジネスのロングインタビューに応じた。
(日経ビジネスオンライン2012年5月1日)

【CFOならこう読む】

「ベゾス「我々は「品ぞろえ」「利便性」「低価格」という3つの要素を大事にしています。この3つは密接に結びついているものです。まずは、品ぞろえから始まります。顧客が求める品物がなければ、価格がどれほど安くても、どれほど速く届けられても意味がありません。

 しかし、品ぞろえが充実していても、届けるのが非常に遅かったり、価格が安くなければ顧客にとって意味がありません。この3つの要素を全て改善していくためにエネルギーとリソースを注ぎ込んでいます。」(前掲紙)

「品ぞろえ」&「利便性」と「低価格」を両立させるのは並大抵なことではありません。そのためにアマゾンは、リーン生産方式やシックス・シグマに取り組み、無駄を徹底的に排除しているのです。また、タックスコストの最適化に取り組んでいることもよく知られているところです。

ところで顧客中心というのは唯一無二の企業理念足り得るのでしょうか?
顧客さえ満足すればそれで良いのでしょうか?

先週末近江商人の故郷、近江八幡市の街を歩きました。売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よしの近江商人です。世間よしの視点があるのが素晴らしい。これがあれば、コーポレートガバナンスなんて声高に叫ぶ必要はないでしょう。

蚊帳・畳表などの商いで財を成した西川家住宅では、家訓とともに仕入帳などの帳簿類が展示されていました。その帳簿たちの凛としたたたずまいが、経理を大切に行っていたことを伺わせます。

三方よしの原点は経理にあり、経理屋のはしくれである私は、少し嬉しくなりました。

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