創業者向け融資拡充

安倍晋三首相は7月の参院選後も経済優先の政策運営を進める方針だ。秋の臨時国会を「成長戦略実行国会」と位置付け、経済再生を軌道に乗せる成長戦略の追加策(第2弾)の検討に入った。
(日本経済新聞2013年6月11日3ページ )

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「追加策はベンチャー企業の育成強化も柱になる。日本政策金融公庫の創業者向け融資制度を拡充。創業時の融資開始から半年に限る元本返済の猶予期間を1年超に延ばす。創業間もないベンチャー企業の返済負担を軽くして資金繰りを支援する。年内にも延長する。」(前掲紙)

政策立案上、ベンチャー企業への出資と起業(独立)支援は全く異なるという認識を持つ必要があります。創業者向け融資の目的は、IPOを志向する研究開発型ベンチャー企業への融資ではなく、一定年齢以上の転職が困難な日本の労働者の起業(独立)支援することにあります。ここでの成功体験が積み重なれば、雇用の流動化が進むという意味でも重要です。

ベンチャー企業への融資は、専門性が高く超ハイリスク・ハイリターンなので、安易に国庫を投入すべき領域ではありません。個々は民間が投資しやすい環境を整えることが国の仕事であり、民業を圧迫するような振る舞いは厳に慎むべきです。

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