【 M&A箴言集 】ネクソン崔承祐社長

現ネクソン社長の崔承祐さんは兵役を終えた後、1998年1月に大宇財閥に入社する。当時の韓国は経済危機に陥り、緊急融資を受けたIMFの管理下に入ったばかり。大宇のビジネスも深刻な打撃を受けた。
(日経ヴェリタス2013年9月1日56ページひとクロスロード)

【CFOならこう読む】

「1999年9月、崔さんはネクソンに転職する。待っていたのは日本法人設立と中国開拓という仕事だった。
入社4日後、名刺が刷り上がると東京に飛び込みました。日本のソリッドネットワークスという会社と合弁を設立するためです。2000年9月、両社が半分ずつ出資し、新会社が発足しますが、経営がうまくいかない。原因は合弁という形態です。半々の出資だと誰も主導権がとれない。

だから投資の判断も遅くなる。3年もたたずに合弁は解消になりました。この経験から、合弁会社はつくらないことにしています。」(前掲紙)

合弁だと誰も主導権をとらず、投資の判断も遅くなる。
このことはどちらが買い手であるかを明らかにしない多くの日本的なM&Aにも当てはまります。

これによる失敗事例が数多く積みあがっている中、従来の対等合併的なM&Aはうまくいかないということが日本企業の間でも徐々に認知されてきているように思います。

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