【資本政策詳解】エス・ディー・エス バイオテック

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エス・ディー・エス バイオテックの株式上場の概要は次の通りです。

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エス・ディー・エス バイオテックは、農薬の有効成分(原体)や、原体と補助成分を混ぜ合わせてさまざまな剤型(粉、顆粒(かりゅう)、液など)にした農薬(製剤)の研究開発、製造、販売を手掛けている会社です。昭和電工の子会社でしたが、2005年3月にみずほキャピタルパートナーズ系ファンド(エムエイチキャピタルパートナーズツーエルピー)の支援を受け、MBOにて独立しました。

公募価格は750円、2008年12月期見込みEPSが78.05円なのでPER9.6倍という水準での株式公開となります。

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エス・ディー・エス バイオテックの主な資本政策は (表2)の通りです。

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表にはありませんが、2008年1月31日及び2月14日にエムエイチキャピタルパートナーズからフマキラー、丸善薬品、大塚化学等へ合計1,196,000株の株式移動が行われています。このときの移動価格は1,150円、類似会社比準方式によって算出した価格を参考として、当事者間で協議により決定したものです。今回の公募価格が750円なので、結果論ではありますが、1,150円という価格は妥当ではなかったということになるのかもしれません。

また、当社新株予約権の取得事由に基づき、会社は、平成20年7月22日開催の取締役会の決議により、白井社長他役員・従業員の新株予約権の一部を取得し、平成20年8月6日をもって新株予約権を44,800個消却しています。

(表3)はエス・ディー・エス バイオテックの株主構成です。

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筆頭株主は、エムエイチキャピタルパートナーズですが、同ファンドの運用期間は平成15年11月11日から平成25年11月11日まで(ただし、平成27年11月11日までの延長の可能性があります。)と限定されており、当該ファンドの所有する株式は、原則同期間内に売却されることになります。

なお、エス・ディー・エス バイオテックの自己資本比率は11.3%と非常に低い水準となっています。MBOの常ではありますが、良くも悪くもこの会社の命運はみずほグループが握っていると言えます。

【リンク】

株式会社エス・ディー・エス バイオテック 企業概要