サンリオ優先株40万株強制償還

サンリオは14日、取引銀行2行が保有する優先株100万株のうち、40万株を買入消却すると発表した。普通株への転換による希薄化を避けるのが狙い。プレミアムなどを含めた取得額約43億円は手元資金でまかなう。7月末に買い取り、10月をめどに消却する。
(日本経済新聞2010年7月15日15面)

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B種優先株式は、2005年3月にA種優先株式とともに2010年3 月23 日以降普通株への転換請求権を行使できる条項が付されていました。B種優先株式の内容は次の通りです。

「1. 種類株式の名称 株式会社サンリオB 種優先株式(以下「B 種優先株式」という。)
2. 発行新株式数 1,000,000 株
3. 発行価額 1 株につき10,000 円
4. 発行価額の総額 10,000,000,000 円
5. 発行価額中資本に組み入れない額
1 株につき5,000 円
6. 資本組入額の総額 5,000,000,000 円
7. 申込期日 平成17 年3 月22 日(火)
8. 払込期日 平成17 年3 月23 日(水)
9. 配当起算日 平成17 年3 月23 日(水)
10. 発行方法
第三者割当の方法により、下記会社に以下のとおり割り当てる。
株式会社東京三菱銀行 900,000 株
株式会社みずほコーポレート銀行 100,000 株

B 種優先配当年率=日本円TIBOR(半年物)+4.0%

平成19 年3 月23 日(金)以降、いつでもB 種優先株主またはB 種優先登録質権者の意思にかかわらず、B 種優先株式の全部または一部を償還することができる。一部償還の場合は、直前期末の優先株主名簿に記載された所有株式数による比例配分とし、償還価額は、B 種優先株式1 株につき発行価額に107%を乗じた価額に、償還日の属する営業年度におけるB 種優先配当金の額を償還日の属する営業年度の初日から償還日までの日数(初日および償還日を含む。)で日割計算した額(小数第3 位まで算出し、その小数第3 位を四捨五入する。)を加算した額とする。」
(2005年2月9日 第三者割当増資(普通株式・優先株式)に関するお知らせ)

今回取得されるB種優先株式は、みずほ分が40,000株、三菱分が360,000株の合計400,000株です。

会社はこれに先立ち、2008年の定時株主総会で、資本準備金をその他資本剰余金へ振替を決議し、B種優先株式の強制償還の原資の一部として充当できることとしています。

【リンク】

2010年7月14日「自己株式(B 種優先株式)の取得に関するお知らせ」株式会社サンリオ
2010年5月29日「優先株式の強制償還に関するお知らせ」株式会社サンリオ
2010年2月9日「第三者割当増資(普通株式・優先株式)に関するお知らせ」」株式会社サンリオ