村上被告有罪確定、実現性低くてもTOB等決定情報はインサイダー情報に当たる

ニッポン放送株を巡るインサイダー取引事件で証券取引法違反罪に問われた村上ファンド元代表、村上世彰被告の上告審で、最高裁第1小法廷は7日までに、元代表側の上告を棄却する決定をした。懲役2年、執行猶予3年、罰金300万円、追徴金約11億4900万円とした二審・東京高裁判決が確定する。
(日本経済新聞2011年6月8日35面)

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最高裁決定の骨子は以下の通りです。

「・ライブドアの堀江元社長らは、会社並みの意思決定ができる「業務執行機関」に当たる
・株式買い付けの実現可能性が全くあるいはほとんどない場合を除き、買い付け決定があればインサイダー情報に当たる
・2004年11月8日に大量買い付け方針決定の伝達を受けたとの二審判断は正当」
(前掲紙)

今回の最高裁決定について、経営者が語る夢物語や志がインサイダー情報に当たるとの危惧の声も上がっているようですが、今回の決定は、業務執行機関がTOB等を行うことについて意思決定を行った場合に、その実現可能性が少しでもあればインサイダー情報にあたるとしたもので、「企業が実現を意図して内部で決定したことが重要情報にあたると認定しており、実現可能性を無視した判断とはいえない」(前掲紙)という太田弁護士の見解が正鵠を射ていると思います。

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