国際会計基準と日本基準の折衷案
金融庁は上場企業に国際会計基準(IFRS)の採用を義務付ける時期について結論を当面見送る方針だ。企業会計審議会(金融庁長官の諮問機関)が7月にもまとめる報告書に、強制適用の時期を明記しない。国際会計基準を任意に適用できる企業の範囲を拡大する案は盛り込む。最短で2016年とされていた強制適用は先送りとなる可能性が高まってきた。
(日本経済新聞2013年5月28日1ページ)
【CFOならこう読む】
「国際会計基準(IFRS)の導入義務付けの結論が当面見送られる見通しになり、金融庁は日本基準とIFRSの折衷案となる新たな会計基準作りに乗り出す。」(日本経済新聞2013年5月28日4ページ)
日本基準とIFRSの差異を極力小さくしていくという方向性があるなかで、何のために折衷案なるものが必要なのでしょうか?
こういう玉虫色の解決は役所の得意とするところですが、混乱を招く弊害の方が大きいと考えられるので止めて頂きたい。
【リンク】
なし
議事録を見ると、黒川委員(慶応大学教授)が、4月23日の審議会で「IFRS強制適用になるという状況が生まれたときに、個々の基準を一つ一つ検討して、採択するプロセスというようなものが必要になるかもしれない。あるいは、個々の基準をそれぞれ判断をして、我が国に合ったIFRS基準であるのかどうかということを識別しなければいけないということになるのかもしれない」と発言し、事務局がJ-IFRSの検討案を作り、5月28日の審議会で斎藤静樹委員から「前回、黒川委員が言われましたけれども、このJ-IFRSというのは、結局、一部企業に強制適用することになった場合に備えたものであって、それ以外の使い道はあまりないのではという気がします」と反対されています。
IAS1号に、「すべてのIASないしIFRSを適用しない限りIFRSに準拠したと記載してはならない」と規定していることが分かっていいないようだ。SECは受理しない会計基準になる。
IAS1号のパラグラフ16には次の記述がある。
16 An entity whose financial statements comply with IFRSs shall make an explicit
and unreserved statement of such compliance in the notes. An entity shall not
describe financial statements as complying with IFRSs unless they comply with all
the requirements of IFRSs.