偽計取引-ペイントハウス

東京の住宅リフォーム会社「ペイントハウス」(現ティエムシー)の2005年5月の第三者割当増資を巡って同社に虚偽の発表をさせたとして、東京地検特捜部は24日、投資コンサルタント会社「ソブリンアセットマネジメントジャパン」(東京・千代田)社長、阪中彰夫容疑者(58)を証券取引法(現金融商品取引法)違反(偽計取引)容疑で逮捕した。
NIKKEI NET 2009年6月25日

【CFOならこう読む】

金商法は、風説の流布や偽計といった悪質行為を禁止しており、違反者を10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処することとしています(金商法197条1項5号)。
風説とは合理的な根拠もない噂、偽計とは他人を錯誤に陥れるような手段、誘惑、隠見な手段を用いる詐欺的行為のことを言います。

ペイントハウスの場合、第三者割当増資を巡って同社に虚偽の発表をさせたとして、投資コンサル会社の社長が逮捕されました。

日本経済新聞 2009年6月25日

日本経済新聞2009年6月25日 43面より

逮捕されたのは、ペイントハウスの役員等ではなく、コンサル会社の社長である点に留意する必要があります。

風説の流布・偽計等の取引の禁止の対象者には制限がなく、誰でもこれらの行為をしてはならないとされており、ペイントハウスのケースでは、資本増強がないにも関わらず、増資があったと虚偽の事実を公表させたとして、投資コンサル社長が逮捕されています。

なお、風説の流布・偽計等については、上記罰則の他課徴金制度が導入されていて、これによって得た財産は没収されます。

具体的には、有価証券等の相場を騰貴させ、その相場で有価証券等の売付け等を行った場合で、その違反行為の終了後1ヶ月以内に行われた売付け等の価額から、違反行為直前の価額を控除した額が課徴金とされます。

【リンク】

なし