三越伊勢丹、傘下の三越7店舗他を分社化

三越伊勢丹、傘下の三越7店舗他を分社化三越伊勢丹ホールディングスは24日、傘下の三越の地方7店舗を分社化すると正式に発表した。受け皿となる新会社を10月に設立したうえで、2010年4月に札幌店(札幌市)や松山店(松山市)など対象店舗の運営を新会社へと引き継ぐ。地域の実情に合わせた営業体制を作り、経営コストの圧縮につなげる。
NIKKEI NET2009年8月24日

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地域ごとに店舗経営の独立性を高め、収益の状況に合わせて賃金の水準を変更したり、地域の消費事情に合わせた販売戦略を立てられるようにすることを目的とした再編です。具体的には以下の手順で行なわれます。

1.平成21年10月1日を期して、 伊勢丹から静岡伊勢丹及び新潟伊勢丹に係る経営管理及び営業支援業務の一部を承継して、両社を直接子会社とする。この再編は無対価の吸収分割により行われます。

2.平成22年4月(予定)に、株式会社三越(以下「三越」という。)から札幌・仙台・名古屋・広島・高松・松山・福岡の各地域の百貨店運営事業を承継すべく、地域事業準備会社として弊社直接出資の新会社7社を設立する。

これにより、平成20年10月に三越伊勢丹HDと直接の資本関係となった株式会社ジェイアール西日本伊勢丹(以下「WJRI」という。)、平成21年7月末に株式会社丸井今井から持株会社が事業を譲り受けた株式会社札幌丸井今井(以下「札幌丸井今井」という。)及び株式会社函館丸井今井(以下「函館丸井今井」という。)、並びに株式会社岩田屋(以下「岩田屋」という。)の臨時株主総会における承認を経た上で完全子会社化を予定している岩田屋とあわせ、持株会社の直下に三越、伊勢丹及び地域事業会社等の百貨店事業会社が並列する組織体制が構築される。

「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る  組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」3ページより

「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る 組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」3ページより

3.新潟エリアをモデルエリアと位置づけ、先行して両店舗の一体運営化を進め、平成22年4月(予定)には三越新潟店と本吸収分割によって持株会社の直接子会社となる新潟伊勢丹を統合する予定。そのノウハウを活用して札幌と福岡においても一体運営を進める。

「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る  組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」3ページより

「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る 組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」3ページより

4.さらに、平成23年4月(予定)には、営業基盤の整備に向けた組織再編の最終形として、全国百貨店で店舗売上高1 位、2 位の三越日本橋本店、伊勢丹本店と、世界有数の商業集積地・銀座の三越銀座店の旗艦3店を中核とした首都圏の各店舗を擁する、三越及び伊勢丹の両社を統合する。

「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る  組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」4ページより

「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る 組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ」4ページより

「店舗が併存するエリアについては、営業施策で連携をとりつつ、両店舗のブランドの明確化を行ない、それぞれ特色ある店舗としてお客さまのご期待にお応えすることで、両店が提供できる品揃えの質・幅を広げ、地域のお客さまの満足を高めていきます。あわせて、後方部門の統合による物流費・賃借料の削減、共同取組による経費の有効活用など、単店舗では成し得なかった効率的なエリア運営体制を構築していきます。」(プレスリリース)

とのことですが、1+1=2以上の効果を生むことができるのか疑問です。必要なのは事業の統合ではなく、店舗の統合だと僕は思うのですが・・・。

【リンク】

2009年8月24日「三越伊勢丹グループの百貨店事業に係る 組織再編(吸収分割及び新会社設立)のお知らせ 」株式会社三越伊勢丹ホールディングス[PDF]