エルピーダ公募増資 ディスカウント率4%

エルピーダメモリは14日、24日払い込みで実施する公募増資の発行価格が1株1,152円になったと発表した。投資家の需要動向に応じて実施する追加発行分(上限700万株)を含め、発行済株式数の約39%に相当する5500万株を新たに発行。手取り概算額は601億円になる。
(日本経済新聞2009年9月15日16面)

【CFOならこう読む】

「14日の東京証券取引所の終値1200円をもとに、割引率4%として決定した。発行価額は633億円になる見込み。調達した資金は携帯電話などに使う高機能DRAMの開発資金や半導体の微細化投資などに使うほか、社債など有利子負債の返済資金に充当する。」(前掲紙)

2009-09-14j

「発行価格等の決定に関するお知らせ」より

当然のように割引率4%と言われて既存株主は納得できるのでしょうか?

9月1日の増資の公表後、エルピーダメモリの株価はダイリューションしています。そもそもこれだけのダイリューションが生じるような増資は容認されません。

100歩譲ってダイリューションを生じる公募増資の発行自体は認めたとしても、4%ディスカウントって何でしょう。希薄化の影響はすでに株価に織り込まれています。
それなのに、さらにディスカウントする根拠はどこにあるのでしょう。

これについてはプレスリリースの中で何の説明もありません。有利発行との関係で10%までのディスカウントは許されると、安易に考えているのだとしたらそれは大間違いだと僕は思います。

【リンク】

2009年9月14日「発行価格等の決定に関するお知らせ」エルピーダメモリ株式会社[PDF]