ドルキャリー取引

国為替市場で円高・ドル安が進み、先週末(11日)の東京市場では7ヶ月ぶりの円高水準となる1ドル=90円台を付けた。市場からは今年1月の高値である87円を抜け、1995年の最高値(79円)を目指すとの声も聞こえてくる。相場の実体は円高ではなくドル安。「円キャリー取引」ならぬ「ドルキャリー取引」が市場を席巻している。
(日本経済新聞2009年9月13日24面)

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「ドルキャリーは。事実上のゼロ金利となったドルを元手に、新興・資源国通貨や金、原油などの相対的にリスクの高い資産で運用する取引とされる。ドルの先安観が強まる中、円やユーロにも資金が向かっている。」(前掲紙)

「根底にあるのは「ドル余り」だ。市場では米国の雇用悪化に歯止めがかからない中、資金供給を含めた金融緩和が長引くとの見方が根強い。ドルの銀行間金利も低下傾向にある。「ヘッジファンドなどが低利で借り入れた多額のドルを売り、資源高で上昇期待のある欧州通貨に資金が流れ込んでいる」
(日本経済新聞2009年9月11日17面)

日本の輸出企業の想定為替レートは、1ドル95円が中心でしたが、90円に見直す企業が増えそうです。

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