ジャスダックという市場の属性

東京株式市場でジャスダック市場の出遅れが目立っている。3月の年初来安値から直近までの上昇率をみると、日経平均株価だけでなく東証マザーズなど他の新興市場も下回る。上場銘柄の成長性が見劣りすることなどが戻りの鈍さにつながっているようだ。
(日本経済新聞 2009年10月20日 17面)

【CFOならこう読む】

ジャスダック平均株価指数は若干戻しているが、日経平均、東証マザーズ指数、ヘラクレス指数と比べると小幅にとどまっています。PERで見ると、20倍を下回り40倍の日経平均の半分の水準です。

「格差の背景の1つが業績。ジャスダック上場企業の2009年度の予想利益は昨年度並みにとどまり、マザーズやヘラクレスに比べ業績の改善度合いが小さい。ジャスダックは古くから上場する成熟企業も多く、「利益成長の点で、育ち盛りの企業が多い他の新興市場にはかなわなない(国内証券)」

ジャスダックには、私が相続銘柄と呼ぶ成長性のない会社がゴロゴロ転がっています。ナルミヤのように、上場時をピークに逆V字の業績を辿る会社も少なくありません(2009年9月30日エントリー「ナルミヤ、逆V字で非公開化へ」)。

むしろそれがジャスダックという市場の属性だと考えるべきでしょう。ボラティリティが低いということがジャスダックという市場の存在理由になるのか否かわかりませんが、そういう市場であることを認めたうえで今後の市場としての戦略を構築すべきであると僕は思います。

大証と合併すれば何かが良くなるとは僕には到底思えません。

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