ベンチャーの人材確保

今年の新規株式公開(IPO)はわずか19社と31年ぶりの低さ。東証1部の上場社数は2007年にピークアウトしている。次世代の主役候補が育っていない。経営学者ピータードラッカー氏は33年前の著書「見えざる革命」で、産業の老化を避けるため年金が一定額をベンチャー投資に振り向けるべきだとした。米欧年金は忠実にこれを実行するが、日本はほとんど無策。ベンチャーキャピタルは干上がり、新産業育成のパイプが途切れている。
(日本経済新聞2009年12月08日15面)

【CFOならこう読む】

カネだけあれば万事うまく行くということにはなりません。いかに良い人材を確保するかもベンチャー企業にとっては重要な課題です。

今日の新聞に「ベンチャー2009KANSAI」の公開討論会の内容が掲載されています。

「議論はベンチャーの人材確保策にも及んだ。松田(修一)氏は「日本では高学歴で優秀な成績の学生は大手志向が強い。能力を会社に使われにいくようなものだ」と、日本の学生の大手志向がベンチャーの人材獲得の壁になっていると指摘した。
森下(竜一)氏は「米国ではベンチャーで働くことがステータスだ。自分の不得意な領域に配置されれば、会社を飛び出す人も少なくない」としたうえで「規模が重要なのではなく、新技術に挑戦する精神があるかどうか。大手志向の日本と米国の考え方の違いだ」と、日米両国の就業意識の違いを浮き彫りにした」(日本経済新聞2009年12月08日31面)

新技術への挑戦といった自己実現に対する強烈な願望があり、企業がそれを達成するための場を提供してくれる会社で働きたい

ベンチャーを志向する人はそんな風に考えて会社を選びます。さらに、

自分のペースで仕事ができる
成果に対しきちんと報酬が支払われる
転職が容易

といった点も重要です。

特に最後が極めて重要で、シリコンバレーのように近場に転職先が幾つもあるという環境であればより良い人材を惹き付けることができるでしょう。

日本にもベンチャー企業が集う魅力ある街が必要です。私が住む湘南はそんな街になる可能性がある地域であると思います。

SFCがあり、海があり、東京にも近い。
一方、街は高齢化が進み、廃墟となった空き家が散見される。

「社員をサーフィンに行かせよう」というパタゴニア日本支社が湘南にはあります。
そこにはシーカヤックで出社する社員もいるそうです。

そんな会社が集まれば、そこに人材も集まると僕は思います。

【リンク】

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