ソニー退任の大根田CFOのインタビュー

最高益から一転、14年ぶり営業赤字に転落。ヒット不在でライバルとの差は拡大。かつてないほど大きな浮き沈みを経験したソニーのこの5年間は財務面でも厳しい時期だった。副社長兼CFOとしてストリンガー体制を支えてきた大根田伸行氏が、最優先で取り組んだのがキャッシュフロー改革。ソニー復活の土台はできた―。18日の株主総会後に退任した大根田氏が最後に語った。
(日経ヴェリタス2010年6月27日21面)

【CFOならこう読む】

-「守りの財務」に終始した5年間という印象もありますが

CFOの仕事は格好良く言うと、いかにしてソニーの企業価値を財務面から上げるのか、ということです。そして会社が厳しい時は価値が下がるのを食い止める。そのための手を打つ。業績が厳しいときは社内外で批判の矢面に立たされ、一方で調子が良ければトップなり事業部なりが注目され、CFOにはあまり日が当たることはありません。後は、成長戦略を着実に遂行し、新たなビジネスでどういう結果を出せるのか。ハワード体制についても、そこで初めて評価できるんじゃないでしょうか」(前掲紙)

しかしこの5年ソニーは目立った成果を出していません。

「ソニーが財務再建に追われていた間、海外のライバル勢は次から次へと攻め手を繰り出した。米アップルはiPadなど画期的な製品を投入し世界中の消費者を魅了。李健熙氏が会長に復帰した韓国サムスン電子も巨額投資で攻勢に出る」(前掲紙)

そして大根田氏の後任(?)である加藤氏は取締役でも代表執行役でもありません。

ソニーに限らず、最近CFOがボードメンバーから外れる会社が増えているようで、この点は少し気になるところです。

これは昨今の市場軽視の日本の状況を反映しているのかも知れませんが、しかし日本企業は漸く直接金融に舵を切り始めたところで、CFOの重要性は増えることはあっても減ることはない、と私は思います。

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