梅棹忠夫氏、死去
民族学や比較文明学で幅広い業績をあげ、思想家、文明批評家としても知られた国立民族学博物館(民博)初代館長で京都大学名誉教授の梅棹忠夫氏が3日、老衰のため、大阪府内の自宅で死去した。90歳だった。
(日本経済新聞2010年7月7日36面)
【CFOならこう読む】
梅棹さんの「知的生産の技術」(岩波新書)は私のベッド脇の本立てにいつもおいてあって、何度も読み返している本です。
本の項目のを挙げてみると、カードの使い方(京大式カードですね)、切り抜きと規格化、整理と事務、読書、ペンからタイプライターへ、手紙等、テクノロジーの進化とともに陳腐化してしまったように思えますが、「知的生産の技術」の本質は相変わらずこの本の中にあります。読み返すたびに新しい発見がある名著です。
「大事なのは独創や。本はなあ,他人の考えたカスが載っているだけ」「自分の目と足と頭を使うのが学問なんです」
(日本経済新聞2010年7月7日35面)
至極名言です。
私事で恐縮ですが、私はこの春からある国立大学の博士課程に籍を置かせてもらって仕事の合間に租税法を学んでいます。
早いもので3ヶ月が過ぎ、それなりに論文やら判例やら外国の書物やら、多くの文献に目を通していますが、自分の頭でどれだけ考えているか振り返ってみると甚だ心もとない。
改めてとことん考えることをしないといけないなと思います。
で、これって研究者だけでなく実務家にもそのまま通用する話ですよね。
【リンク】
知的生産の技術 (岩波新書) | |
梅棹 忠夫
岩波書店 1969-07 おすすめ平均 |