IASB、リース会計の公開草案公表

「国際会計基準をつくる国際会計基準審議会(IASB)は、リース会計の新基準に向けた公開草案を公表した。リース契約に基づいて使用している資産や負債をすべて貸借対照表に反映させるのが主な柱。実現すれば、航空機や流通業などリース契約の利用が多い企業の財務諸表に大きく影響する可能性がある。
(日本経済新聞2010年8月19日13面)

【CFOならこう読む】

「提案では、これまで費用だけの計上で済んでいた「オペレーティングリース」と呼ぶ取引について、貸借対照表に資産と負債の計上を求める。対象資産の「使用権」に着目するもので、オペレーティングリースを多用する企業では総資産が膨らみ、資産効率が低下する可能性がある。反面、企業が抱えるリスクに関する透明性が高まるとIASBでは期待している」(前掲紙)

公開草案の本文にはまだ目を通していませんが、snapshotにはざっと目を通しました。
要約すると次の通りです。

新基準ではファイナンスリースとオペーレーティングリースを区別せずに、使用権の価値(当初は将来にわたって支払われるリース料の現在価値によって測定する)を資産に、将来のリース料の支払額に相当するリース債務を負債に計上されます。

キャッシュフロー積み上げの前提となるリース期間については、従来リース契約で規定されている最短期間(Minimum lease term)によっていましたが、これが期待リース期間(Expected lease term)に改められます。これによって再リース等のオプションが付与されている場合には、それも勘案した上でリース期間を決定することになると思われます。

貸し手の会計処理については、主なリスクと便益が借り手に移転しているかどうかで異なります。
移転していない場合には、貸し手の貸借対象表上オフバランスされず減価償却費も計上されます。

後日公開草案本文を読んだ上で必要があればアップデートします。

【リンク】

「Snapshot: Leases」IFRS [PDF]

「Exposure Draft Leases Comments to be received by 15 December 2010」IFRS [PDF]