上場会社平均ROE7.1%

2010年4~6月期に4.1倍の大幅経常増益を果たした「ニッポン株式会社」。ROEは製造業を中心に回復し金融危機前の水準に近づいた。だが売上高は危機前の9割に届かない水準。過去最大級のコスト削減で収益を回復させたニッポン株式会社の姿を「筋肉質」と表現するか、過激なダイエットによる「不健康体」と見るか。そこへ15年ぶりの円高水準という逆風が迫っている。
(日本経済新聞2010年9月1日)

【CFOならこう読む】

「3月期決算企業(金融、新興市場除く1757社)の4~6月期のROEは7.1%。前年同期の0.8%から回復し、危機前の8.1%に1ポイント差まで近づいた。けん引役は製造業で、7.5%まで回復。国内のデフレに苦しむ非製造業の6.5%を逆転した」(前掲紙)

ROE回復の主要因は危機後の赤字幅が大きく自己資本が減少していることにあるということです。今日の記事のとなりには、「TDK、負債削減を加速」という記事が踊っています。

自己資本も負債も減らして、投資も先延ばしにし、それで一時的に財務数値を改善させても将来の展望は開けないと思います。

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