スキーム・オブ・アレンジメント キリンの買収提案 豪コカコーラ(CCA)拒否

豪コカ・コーラ、キリンの買収提案拒否 条件見直し検討へ

【シドニー=高佐知宏】オーストラリアの飲料大手コカ・コーラ・アマティル(CCA)はキリンホールディングス傘下の豪ビール大手ライオンネイサンからの買収提案を拒否した。買収額の約80億豪ドル(約4985億円)は「当社の価値を反映していない」(CCA)のが理由。キリンHDは「理解を得られるよう交渉を続ける」として今後、買収金額引き上げなど条件見直しの検討に入るとみられる。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1D1807Z%2018112008&g=S1&d=20081118

【CFOならこう読む】

キリンの買収価額が「当社の価値を反映していない」(CCA)という理由で、CCA取締役会は買収交渉打ち切りを決めました。14日終値に対し31%のプレミアムを付した買収価格では安すぎる、ということでしょう。

今回の買収はスキーム・オブ・アレンジメントによることを、キリンHDはプレスリリースの中で公表しています。

スキーム・オブ・アレンジメントとは、

「英国法上の買収手続き。1)買収対象会社の取締役会決議を経たうえで、被買収企業の株主総会で参加株主の過半数かつ議決権で七五%の賛成による承認(2)英国裁判所の審問による承認(3)関連地域の競争法当局による承認――が必要。」
(日本経済新聞2007年3月9日)

日本板硝子の英ピルキントン買収、JTの英ガラハー買収の際にも同手続きが取られました。

つまり取締役会がYESと言わないかぎり、事は進まないということです。

ただし日本のどこかの会社のように濫用的買収者云々ということではなく、価格が問題だということなので、勝負はバリュエーションのコンテストで決します。

【リンク】

なし