株主配分、「利回り」により決定

イベント制作大手のテー・オー・ダブリューは株主配分に「利回り」の考え方を採り入れる。年間配当額を株価で割った配当利回り4.5%に相当する配当金と、連結ベース配当性向40%になる配当金比べて、高いほうで支払うという内容だ。
(日経ヴェリタス 2008年11月16日 14面)

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以下TOWのプレスリリースからの抜粋です。

「来期(平成22 年6月期)より利益配分の指標として、連結ベースの配当性向および株価配当利回りを基本といたします。
具体的には、来期(平成22 年6月期)の連結業績予想の当期純利益に対して、配当性向40%で算出された一株当たりの予想配当金と、本決算発表日(平成21 年8月6日)の前日の終値に株価配当利回り4.5%を乗じて算出された一株当たりの配当金のいずれか高い方を最低配当金として配当金を決定することとし、来期以降も同様といたしたいと存じます。なお、連結配当性向40%は下限目標といたしますが、株価配当利回りにつきましては、市場金利等の動向を勘案して決定いたします。
また、内部留保の確保という従来からの基本方針に基づき、株価の急騰局面においては、連結配当性向換算で100%を上限として配当額を決定したいと存じます。」

TOWは、主に資金源泉を内部留保に求めており、投資も概ね営業キャッシュフローの範囲に抑えられています。将来の成長よりも株主還元を重視していると言えます。

配当利回りを東証上場平均を約2%上回る水準に設定することで、「長期に保有してくれる株主づくりにつなげたい」と川村社長は説明しています。

14日終値は524円。利回り4.5%から配当金は23.58円と計算されます。今期予想配当は32円なので、支払配当金は32円となり、このとき配当利回りは6.1%となります(但し、新しい配当政策は、2010年6月期から導入されることに留意してください)。

つまり、この配当政策は、4.5%の配当利回りを最低保証する方式であると言うことができます。

【リンク】

平成20年11月10日「配当方針に関するお知らせ」株式会社テー・オー・ダブリュー
http://www.tow.co.jp/ir/pdf/release/20081110_1.pdf