中小企業向けの融資減少、鮮明

9月末3.2%減、3年半ぶり大幅

銀行の中小企業向け貸し出しの落ち込みが鮮明になってきた。日銀が13日まとめた国内銀行ベースの9月末の貸出残高は179兆円となり、前年同月末より3.2%減った。減少額は3年半ぶりの大きさ。米金融危機をきっかけに世界景気の先行きへの懸念が強まり、銀行が融資に一段と慎重になっている。中小企業の間では政府系金融機関から借りる動きが広がる一方、政府の追加経済対策の早期発動を求める声も強まってきた。
(日本経済新聞 2008年11月14日 3面)

【CFOならこう読む】

「中小向け融資は、米国の住宅ローン問題を発端に世界の金融市場が混乱し始めた昨夏以降、13ヶ月連続で前年同月を下回っている。8月末までは1%前後の減少額にとどまっていたが、9月末は大幅に落ち込んだ。13日に9月中間決算を発表したみずほフィナンシャルグループは傘下の3銀行合算で9月末残高が6.2%も減った。」
(前掲紙)

本来、金融機関が貸し渋りに向かわざるをえなくなるようなBIS規制の仕組みに問題があります。やみくもにリスクアセットを絞る方向ではなく、資本増強に向かわせる、そういう仕組みに変える必要があると、私は思います。

そうは言っても、貸し渋りの影響から、現実に年を越せない中小企業が数多く存在します。私の感覚では、10月末に10割の信用保証制度が設けられてから、事態は好転に向かっているように思いますが、それでも最悪の状況は脱したという程度の話です。まずは、信用保証枠を現在の6兆円から20兆円に増やし、利用可能業種も545から618に拡大するという追加経済対策を一刻も早く実行してもらいたいものです。

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