武田薬品の配当政策

武田、買収費用を一括計上 4-6月 63億円の経常赤字に

武田薬品工業が31日発表した2008年4-6月期の連結決算は、経常損益が63億円の赤字(前年同期は1904億円の黒字)だった。2005年3月期の4半期業績開示以来、初の赤字。米バイオベンチャー買収や米合弁会社の子会社化に伴って一括計上しなければならない「インプロセスR&D」(仕掛研究開発費=IPR&D)が発生したため。2009年3月期通期の業績予想は上方修正した。
(日本経済新聞 2008年8月1日 13面)

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武田薬品の2009年3月期通期の業績予想を、経常利益3000億円(前期比44%減)、純利益2000億円(前期比44%減)としています。

武田薬品の1株当たり配当金の推移は次の通りです。

買収関連費用の一括計上に伴い2009年3月期の配当性向は88.5%(買収関連の会計処理確定に伴い70%程度になると思われる)と跳ね上がります。

従来、武田薬品は配当政策を次のように公表していました。

「配当につきましては、長期的な視点に立ち、連結業績に応じた安定的な利益の配分を基本方針とするとともに、「06-10中期計画」最終年度の連結配当性向を「45%程度」とすることを目標に、段階的に引き上げてまいります。」

これを2008年3月期の有報では以下のように変更しています。

「配当につきましては、長期的な視点に立ち、連結業績に応じた安定的な利益の配分を基本方針とするとともに、ミレニアム社の子会社化に伴う無形資産等の償却費控除前の利益に対して、「「06-10中期計画」最終年度の連結配当性向を「45%程度」とすることを目標に、段階的に引き上げてまいります。」

【リンク】

平成20年7月31日「平成21年3月期 第1四半期決算短信」武田薬品工業株式会社 [PDF]

平成20年6月26日「第131期 有価証券報告書」武田薬品工業株式会社 [PDF]

平成19年6月28日「第130期 有価証券報告書」武田薬品工業株式会社 [PDF]