増資時の空売り規制検討

東京証券取引所と金融庁は、企業の公募増資時の空売りを規制する検討に着手した。増資の発表前後に大量の空売りで株価が急落する事例が相次いで
いるためだ。

(日本経済新聞2010年11月12日5面)

【CFOならこう読む】

「東証などが検討しているのは、米国の「レギュレーションM」と呼ばれる規制の導入だ。1997年にSECが導入したルールで、発行価格決定の5営業日前
以降に空売りを実施した投資家については、増資で発行される新株を購入することを禁止している」(前掲紙)

規制も必要ですが、空売りの前提には、増資→ダイリューションというベクトルがあるわけで、そこが一番の問題だと思うのです。

増資により調達した資金が、資本コストを上回る投資に向けられれれば、理論的にはダイリューションは生じません。逆に言うと増資によりダイリューションが起きるのは、市場は調達資金が有効に使われないと見ているからです。

調達資金が良い投資に向かわない限り、いくら規制の網をかけても増資→ダイリューションという方向性は変わらないと思います。

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