都築電気、子会社の株式交換に伴い大株主の保有株急増

東京証券取引所2部上場の情報システム会社、都築電気に突如、同社株の約4分の1を持つ大株主が登場した。2日提出の大量保有報告書で、国内ヘッジファンドのタワー投資顧問が発行済株式の24.69%を保有していることがわかった。
(日本経済新聞2010年12月4日11面)

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「事の始まりは都築電気が7月16日に発表した都築電産の完全子会社化を目的としたTOB。タワーは買い付け期間終了時の8月30日までに都築電産株の21%を買い集めた。TOBにも応じず、都築電気の取得は63%強にとどまった。
このため、都築電気は株式交換を通じての完全子会社化に踏み切る。タワーは株式交換に反対せず、12月1日に完全子会社化が成立。この時にタワー保有の都築電産株が都築電気株に振り替わった」(前掲紙)

親会社である都築電気株式を直接買い増すのではなく、株式交換を見越し、売買が膨らむTOB期間中に都築電産株を買い増すことで、値上がりリスクを回避しつつ大量に都築電気株式の持分を増やすことに成功したという事案です。

【リンク】

2010年9月10日「都築電気株式会社による都築電産株式会社の株式交換による完全子会社化に関するお知らせ」都築電気株式会社 [PDF]