野村HD、初の女性CFO

野村ホールディングスの財務統括責任者(CFO)に、共同副CFOだった中川順子さん(45)が4月1日付で昇格した。四半期の決算会見を取り仕切り、情報を対外発信する会社の「顔」となる。女性のCFOは野村で初めて。大手企業でもまだ少ない。国際的な金融規制にどう対応するかなど課題も多いが「変化にアンテナを張って常に先手を打ちたい」と話す。
(日本経済新聞夕刊2011年4月14日9面)

【CFOならこう読む】

私にとってCFOは、CEO及びCOOとともに会社の経営を司るトップマネジメントを意味します。ところが最近の日本企業では私が言うようなCFOはとても少なくなっているように感じます(この点3月11日のエントリー「日本企業にとってCFOは重要でないのか?」で書きました)。

中川さんはボードメンバーではありませんし、以下の経歴を見てもCFOというよりIR担当の執行役と見るべきではないでしょうか。

中川さんの経歴(記事から抜粋)

1988年  一般職として野村入社
1991年  一般職から総合職に転換する制度を応募。人事部を経て投資銀行部門へ
2000年  財務部門に異動 ニューヨーク証券市場への上場の実務部隊に加わる
2004年  退職
2008年  復職
野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリーのシニアアドバイザー就任
同社社長
2010年  財務部門へ異動
2011年  CFO就任
CFOとは、最高級のゼネラル・マネージャーであり、財務戦略やディール・メイキングの専門家であることに加えて、業務全般にわたる該博な知識と鋭い経営戦略のセンスも兼備している、価値創造の担い手であるべきです。

ところが日本では、経理部長やIR担当部長をCFOと呼ぶケースが多いように思います。野村證券は、言うまでもなく日本を代表する投資銀行です。投資銀行にとって最も重要な顧客は、企業のCFOでしょう。

そうであるなら、野村證券自身にとってもCFOという役職は極めて重要であると思われます。中川さんをCFOというなら、代表権を与えボードメンバーとすべきではないでしょうか。

【リンク】

野村ホールディングス 執行役員