米国会計の減損テスト

M&Aで生じるのれん代の企業経営への影響が増大している。円高を背景に海外企業買収が相次ぐなど、案件の増加に伴いのれん代が膨らんでいるためだ。毎期の償却負担に加え、買収先企業の収益悪化で減損処理を迫られる事例をもある。期間損益への影響を和らげようと会計処理を見直す動きも出るなど、のれん代への対処は重要な経営課題になりつつある。
(日本経済新聞2012年4月5日15面)

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「のれん代への対処で、会計処理は重要な視点だ。日本の会計基準ではのれん代を毎期、定期償却することが義務づけられている。これに対し、米国会計基準やIFRSは定期償却の代わりに、一定の条件に抵触すると減損処理を求める。グローバル企業では日本基準の処理が、投資家が海外企業と比較する際に不利になる場合もある」(前掲紙)

米国会計基準では、まず定性的な評価(マクロ経済の状況、業界及び市場の状況、コスト環境、業績の状況、企業の状況、レポーティングユニットを巡る環境、株価の状況)を行い、レポーティングユニットの公正価値が帳簿価額を下回る可能性が、下回らない可能性よりも高いと判断された場合のみ、減損テストを実施します。

減損テストは、レポーティングユニットの公正価値とレポーテ ィングユニットののれんを含くんだ帳簿価額を比較し、公正価値が帳簿価額よりも小さけれは、その差額を減損損失額として計上するという形で行われます。(ASU No.2011-08, Testing Goodwill for Impairment)

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